後十字靭帯(PCL)断裂:概要
後十字靭帯(PCL)断裂:概要
このビデオでは、後十字靭帯(PCL)断裂に関する解剖学、病態の進行、診断の概要を紹介します。
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後十字靭帯(PCL)断裂:概要
関節は、骨同士をつなぎ固定する靭帯によって安定しています。膝は関節の外側だけでなく内側にも靭帯が存在し、安定性を保つ数少ない関節のひとつです。十字靭帯は、その交差した形から名付けられ、膝関節内で前後にX字を描くように走行しています。後十字靭帯(PCL)は、よく知られている前十字靭帯(ACL)と対をなす靭帯です。これらの靭帯は協調して働き、膝の曲げ伸ばしを可能にしつつ、過度な前後方向やねじれの動きを防ぎます。PCLは大腿骨と脛骨をつなぎ、膝を曲げたときに最も強く張力がかかります。これにより、脛骨が過度に後方へずれるのを防ぎます。PCL断裂は単独では比較的まれで、膝外傷全体の約3%と推定されています。外傷により膝の複数の構造が損傷した場合、その約40%にPCL断裂が含まれると推定されています。PCL断裂は、脛骨前面への直接的な衝撃によって起こることが多いです。脛骨を蹴られた場合、低い体勢からタックルを受けた場合、あるいは転倒して膝から直接地面に着いた場合に起こります。自動車事故で脛骨がダッシュボード前面に衝突することも、PCL断裂の一般的な原因です。
膝が無理に過伸展される損傷も、PCL断裂の原因となります。PCL断裂では、ACL断裂にみられる特徴的な「ポップ音」や強い不安定感は通常みられません。 多くの場合、PCL断裂の症状は軽度から中等度の痛み、腫脹、こわばりです。不安定感は、膝の他の部位にも損傷がある場合に生じることが多いです。PCL断裂を診断する際、医師は患者に症状を確認し、膝を診察します。具体的には、膝を曲げたときに脛骨が後方にずれたり沈み込んだりしないかを確認します。画像検査が用いられることもあります。 一般的に、X線検査ではPCL断裂を診断することはできませんが、骨折の有無を確認するために行われることがあります。PCLの断裂を確認するには、MRI検査が最も有効とされています。PCL断裂は重症度に応じてグレード分類されます。グレード1は軽度の微細断裂、グレード2は中等度の部分断裂、グレード3は重度の完全断裂を指します。医師は、患者の症状、年齢、活動レベル、PCL断裂のグレード、さらに膝の他の構造の損傷の有無を総合的に考慮して、最適な治療方針を決定します。
